些細な問題の対処療法。〔駐車場編〕
フランスと日本。
育った文化が全く違うはずのGタンだが、驚くほどに違和感を感じない。
(だから一緒に暮らせるのかもしれない。)
この人の前世は日本人に違いないと密かに思う毎日だが、
さすがに日本人とは違うと感じるエピソードがいくつかある。
そのひとつを今日は紹介しよう。
今のアパートには地下に駐車場があるのだが、
引っ越してきた当初、こんなことがあった。
私たちの隣の車庫にはいつも緑色のルノー車が駐車されている。
しかし、いつも白い境界線のライン上から若干はみ出して停めるので、
壁際にある我々は、ドアを開けるのも、車から出るのも容易ではない。
運転手は中年のマダムである。
さすがにこれが数日間続くとストレスが溜まる。
ある日Gタンがついにキレた。
「もういい加減うんざりだ!!!今度会ったらマダムに一言言ってやる!」
相当お怒りの様子。(おっと近隣トラブル発生!?)
と、おもむろに、かばんの中から紙の切れ端を取り出し、
さらさらとペンでなにやら書いている。(ははん苦情の張り紙だな。)
ちらっとのぞいて驚いた。
口頭が、「Merci(ありがとう)」 から始まっているのだ。
内容は確かこんな感じ。
「ありがとう!いつもこんな停め方をしてくれて。
おかげで僕たちは、車から出るのも一苦労です。」
つまりは、皮肉たっぷりの「ありがとう」なのだ。
もちろんフランス人100人が100人こんなことを書くわけではない。
でも日本人でこんな文面を書く人は、1人としていないだろう。
嘆願書でも、怒りをあらわにした苦情でもなく、
皮肉をさらりと書いて、彼女のフロントガラスに置いておいたのだ。
そして2日後からは、車も正常に駐車されており、問題は無事解決。
どうやらメッセージが通じたようだ。
うーん…これについて、賛否両論はあるにせよ、
これがフランスのエスプリというものなのか。
日本人にはないエッセンスをやはりGタンは持ってたか!
と、異国の風を一人こっそり感じた瞬間だった。